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2013.12.20 (Fri)

『Laplace』 Part.2 -Colorless Fate- 文章&挿絵サンプル2

『Laplace』 Part.2 -Colorless Fate-の文章&挿絵サンプルその2になります。

【More・・・】




「あー……そっか。そういうのもいいかもしれないね」
「うん?」
「ね、今日って金曜日だからさ。ほむらちゃんのうちにお泊りしてもいいかな?」
「ええ、それくらいなら……って、泊まり!?」
「ダメ?」
「だめってことはないけれども……ええと」
 確かに何時まででもといったのは私の口なのですが、両親を失ってからこっち、今の部屋で一人だけの暮らしとなって久しく、そういった先入観があったからでしょうか。鹿目さんの提案はまるで発想の枠外のことだったのです。
「でも私、自分の部屋に友だちを呼んだことなんてないし……それにお泊りなんて初めてで、何をしていいか……」
「わ、じゃあ私がほむらちゃんのお呼ばれとお泊りの初めてになるんだね」
「鹿目さぁん……」
 思わず弱音を吐くと鹿目さんは苦笑にて、ごめんごめんと軽く気取ります。
「どうしてもって訳じゃないから大丈夫だよ。ほむらちゃんが本当に嫌なら無理はいわないから」
「嫌だなんて、そんなことはなくて……ただちょっと驚いたのと、あと恥ずかしいだけで」
「うん、分かるよ。したことのないことってそうだよね。でも、ほむらちゃん、私なら大丈夫だから。ほむらちゃんさえよければ、今日は一緒にいたいな」
 あくまで柔らかな物腰でありながらも、こうまで強く自分の意思を通そうとする鹿目さんを見るのは珍しいものですが、果たして偶然や気まぐれで済まされるものでしょうか。何かしらの珍しい出来事があった際には、得てしてそれに付随する相応の理由が存在するものです。その、相応の理由というやつを今の私たちの関係に当てはめてみたならば、きっとそうでしょうね。まさかこの私が知らぬ振りを出来るはずもない。
 この場での楽観はどうにも不味い気がします。何ら根拠はないのですが私の勘がそう告げており、何より鹿目さんとより親しくなるために一夜を共に過ごすというイベント自体は、私にとってもいいことに違いありません。これを妨げるものが単なる私の消極だけであるというのなら、そんなものはさっさと棄却すべきに違いないのです。
 ぼちぼち、私が答えに窮しているのを見兼ねるような様子を鹿目さんが醸しています。私は急くような口調で彼女を先回り、
「うん。いいよ。ただ……私の部屋って汚いし、何も面白いものはないけれども」
 果たして私の判断は間違ってはいないようでした。鹿目さんは本当に嬉しそうな様子で私に謝辞を述べ、改めて彼女の家へと電話をします。途中、暁美ほむらの為人を改めるために彼女のお父さんと通話を代わったのですが、私の声を聞いたことで先方も安心を得たようで、よかった。初めこそ不安なものでしたが、通話を終えたあとの鹿目さんの面を見ていると、今は心からそう思えます。
「それじゃあ、今日は張り切っていかないとね。ぱぱっとやっつけてほむらちゃんと一緒にいーっぱいお話するんだ。えへへ、楽しみだなあ」
 空いた器をゴミ箱に放り込み、夕日射す街の中へ私たちは一歩を踏み出して――幸いにもその日の討伐はつつがなく終えることが出来、末に私は鹿目さんを自室へと招くことが叶いました。
 鹿目さん曰く「全然綺麗で、何だかほむらちゃんっぽい」らしい私の部屋で過ごす彼女との時間はなんだかふわふわと夢心地のようです。現実感が全く追い着いて来ず、軽くご飯を食べて、交代でシャワーを使って、そうするとあっという間に就寝の時間です。寝具なんかも一つしかないものですから、一つのベッドで二人身を寄せて眠ることとなりました。
「今日は来れて、本当によかった」
「それは、どうして?」
 灯も落とし、すっかり黒と静寂に包まれた世界の中で鹿目さんはぽつりと呟きます。どうしてかその声色を聞いていると、このあとに彼女は私にとって何かとてもいいことをいってくれる気がして、それを見込んで私はずるく掛かるのです。
「最近は不安なこととか、大変なことが多くてちょっとだけ疲れてたんだけどね、ほむらちゃんと一緒にこうしてると何だかすごく落ち着くんだ。ねぇ、また、たまにこうやって遊びに来てもいい?」
「うん。私も……そうしてくれると嬉しい」
 それは、とても温かな夜でした。この部屋、一つの寝具で猫のように丸くなりながら、他に何をするでもない。私たちはただお互いの友情を確かめ合うのです。


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テーマ : 魔法少女まどか☆マギカ ジャンル : アニメ・コミック

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