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2013.12.20 (Fri)

『Laplace』 Part.2 -Colorless Fate- 文章&挿絵サンプル1

『Laplace』 Part.2 -Colorless Fate-の文章&挿絵サンプルその1になります。

【More・・・】




「ほむらちゃん、そっちのもちょっと頂戴?」
 私はいわれるがままに左手を差し出し、鹿目さんのスプーンは器の内から適量のクリームとレーズンを掬ってそれを彼女の口元まで運んでいきます。
「ほむらちゃんのおいしい……ね、私のも食べてみて」
 そうして彼女は自らの分から中身を掘り起こし、一口サイズに切り分けられた桃とクリームとを私の目の前まで差し出すのです。
「おいしい?」
 上目遣いで聞いて来る彼女は全く以て小悪魔で、いつか鹿目さんにも彼女を優しく包み込んでくれるような素敵な異性が現れて、これを独り占めするのかなとかふとそんなことを妄想するのですが、いえ、私は一体何を考えているのでしょうか。
「ん、おいしい」
「よかったあ」
 屈託なく笑う彼女と、こうやってケーキとか甘味を食べさせ合ったりするのは初めてのことではないのですが、変なことを考えていたせいかいつもより顔が赤かったり、熱くなっているような気がします。
 あるいはこれが鹿目さんの考えであったのならば、その作戦は大いに功を奏しているといえるでしょう。少なくとも今この瞬間の私は美樹さやかや彼女に纏わる厄介事についての考えを止めることが叶い、目の前の鹿目さんとのやり取りのことで頭がいっぱいになってしまっています。これはとても健全で、同じように胸に負担を掛けるのであれば、私は余程こちらの方を選択することでしょう。
「鹿目さんの、もう一口もらっていい?」
「えー、ほむらちゃんってば食いしん坊だあ」
 嫌そうな仕草なんて一つもせずにそういって。二人でおかしそうに笑い合っては彼女のスプーンから一口を享受し、いっそ私も勢いを出してこちらのレーズンを差し出す次第です。
 授受の応酬を繰り返していたらばすっかりと二人共に中身がなくなってしまい、こうして食べ終わってから振り返ってみると、自分の分を食べるのと相手の分を食べた量を比較して、ほとんど半々か、下手をすれば私は鹿目さんのやつを余計に食べていた気さえします。それを口に出していってみるとやっぱりおかしかったみたいで、二人で声を揃えて笑い合ってしまいます。
 やがて二人でお店を出る頃、来た時にはまだ夕暮れ時であった気がするのですが、すっかりと周囲は真っ暗闇になってしまっていて、自覚はなかったのですが随分と長い間話し込んでいたんだなということに気付くのです。
「おいしかったあ。また来ようね」
「私も楽しかった。ありがとう、鹿目さん」
 満面の笑みを浮かべながらそうして呟く鹿目さんと、私は帰り道が別の方角になります。名残惜しさと感謝とを覚えながらそれぞれに進む先を別れることとなりますが、どうしてでしょうか。この日の私はいつもよりもそうしてほしくなく、ともすれば既に結構な距離が空いてしまっている彼女を追い掛け、その手を取って引き止めてしまいたいような強い念へと駆られ――ぐっと、本当に強い心で以てこれを抑えます。
 これ程に想うまで、私は一体何が恋しいのでしょうか。鹿目さんと一緒に食べたパフェが名残惜しかったのでしょうか。単純に情緒不安定になっているだけなのか。あるいは、その両方なのかもしれませんね。


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テーマ : 魔法少女まどか☆マギカ ジャンル : アニメ・コミック

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